実は、子供に奇抜な名前をつけるという流行は今に始まったことではない。江戸時代の侍社会では誰も読めないような難解な漢字の名前をつけるのが流行った時期もあったし、近代以降も、知識階級の一部では外来語や外国人的名前の当て字をするケースがけっこうあった。

 たとえば、明治の文豪・森鴎外は長女の茉莉(マリ)を筆頭に、杏奴(アンヌ)、於菟(オットー)、不律(フリッツ)と、留学したドイツの影響丸出しの名前をつけているし、大正期の思想家であり作家の大杉栄は、魔子にエマ、ルイズ、ネストルと名付け、そのアナキストぶりをいかんなく発揮した。また、歌人の与謝野晶子・鉄幹夫妻にいたっては、アウギュスト、エレンヌなんていう到底、日本人とは思えない名前をつけている。

 昭和の知識人でも、ノーベル賞を受賞した物理学者の江崎玲於奈なんて、完全にDQNネームだし、作家の三浦朱門もその名前はダンテの研究者だった父親がキリスト教の聖人・シモンにちなんで当て字したものだ。大江健三郎も娘に菜採子(なつみこ)に桜麻(さくらお)というかなり難読な名前をつけている。

 こうしてみてくると、DQNネームを教養の欠如や社会階層の低さと関係づける批判がまったく的外れであることもよくわかるだろう。実際、最近だってヤンキー家庭だけがDQNネームをつけているわけではない。芥川賞選考委員の島田雅彦の息子は弥勒(みろく)だし、東大卒の高田万由子と東京藝大中退の葉加瀬太郎の子女は、向日葵(ひまり)。内田春菊は、在波(アルファ)、紅多(ベータ)、紅甘(ガンマ)、出誕(デルタ)と、4兄弟の名前をギリシア語アルファベットで統一する徹底ぶりだ。また、高知新聞の元論説委員長を父にもつ京大卒の書評家・大森望の本名は、未来(みくる)。DQNどころか二次元萌えネームの先取りである。

 しかも、誰がDQNネームをつけているかという以前に、重要なのは、名前が時代によって簡単に変遷していくものであるという事実だ。昭和初期に一般的だった千代、ハル、キヨ、君枝、和子、節子なんていう名前は今では完全に絶滅しているし、逆に3、40年前なら「芸能人じゃあるまいし」と変わり者扱いされていた美羽、杏、真理、里奈、翔、海斗なんていう名前が、現在、命名ランキングで堂々と上位につけている。

 だから、DQNネームを「いじめられる」「年をとったら大変」などと心配することもほとんど意味がない。すでに、心愛(ココア)なんていうDQNギリギリの名前が2011年の命名ランキング8位に入っているのだ。このままおたく文化が進み、彼らが親になれば、アニメのような名前がもっと増えて、日本人はDQNネームだらけになるだろう。

宇多田ヒカルに村上春樹も! なぜDQNネームは批判される?(ビジネスジャーナル) – 国内 – livedoor ニュース (via kotoripiyopiyo)

DQNで困るのは変わった名前なんじゃなくて、読めない当て字をされたりされるから困るんですよ。

茉莉(マリ)、杏奴(アンヌ)、於菟(オットー)、不律(フリッツ)は、変だけど読めんことはない。

DQNネームのサイトにいろんな実例があるんですが、たとえば金星とかいて「まあず」なんて、読み方の問題だけじゃなくていろいろ無理でしょ。

そういうところが非難(もしくは笑いのネタに)されてるんですよ。

(via junsakura)

しかし、ヤンキーのDQNネームと一緒にするのはどうかと思う

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